カフェ・アルペンローゼで
夏には小さな緑の金属製テーブルと、緑の折りたたみ椅子三脚が、
前庭に植えられた、枝が刈り込まれ葉むらが広々と気持ちよい日除けを作っている
ライムの木の下に置かれた。
作業が完了すると、ケーキは麗々しく客間に運ばれる。
みずみずしい、粉砂糖をまぶしたばかりのケーキが、サイドボードの上に、
その前の土曜日に焼かれたアップルケーキと、もしくはグーゲルホフと並べて置かれ、
ガラスの鐘形覆いをかぶせられた。
したがって土曜の午後に訪れた客は、二つのケーキから選ぶことができたであろう―
古くなったアップルケーキから出来たてのグーゲルホフ、
あるいは古くなったグーゲルホフか出来たてのアップルケーキ。
日曜午後に洗濯の余地は消滅する、なぜなら日曜午後にバベットとビーナはいつも、
古くなったアップルケーキか古くなったグーゲルホフを日曜の午後のコーヒーとともに
食べてしまったからだ。
バベットはケーキフォークを使って食べ、
ビーナはコーヒーに浸して食べる。
ビーナのその習慣をバベットは忌み嫌ったが、妹にそれをやめさせることはどうしてもできなかった。
古くなったケーキを食べ終えると、姉妹は一時間か二時間、
満腹の腹を抱え、薄暗い客間に黙って座っていた。