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カレーとタコス

本場のメキシコ料理は種類も豊富でおいしかった。

モーレという名のメキシコ風カレーは、
トマト、青唐辛子、シナモン、チョコレートなどから作られる焦げ茶色をしたチキンカレーで、
その苦くて辛い味は、
はじめやや拒絶反応を感じるものの、なぜか再びなめてみたくなる摩訶不思議なものだった。

そのモーレのなかに入っていた地鶏のおしいさは、
「おお、本物チキンよ、ここにいたのか」と、
叫んで抱きつきたくなるほど感激的だった。
こういう料理が、町中をはるか離れた国道沿いの、ガソリンスタンド脇に立つ、
今にもつぶれそうな寂れたレストランで出てくるのだから、感激もひとしおである。

もうひとつ気に入ったのは、本場のタコスだ。
町のあちこちに、タコス専門店がある。
夜、久しぶりに再会したミッポも誘って、ヨシダさんお勧めの1軒に皆で赴いた。

店頭で大きな肉の塊を焼いている。
パイナップルの果汁を上から垂らしつつ、
炭火で焼くその肉をナイフで薄くそぎ落とし、
それを焼き立てのアツアツやわらかタコスの皮に包んで食べるのだ。

それだけでもおいしいが、好みによってその店特製のサルサ・メヒカーナ(メキシコソース)をつけて、
下に垂れないよう気をつけながら、一気にほお張るのもいい。
このサルサ、真っ赤な生トマトと玉ねぎ、青唐辛子、ニンニク、コリアンダーの葉、
アボカドを混ぜただけの辛いソースだが、日本のトマトでこれだけのコクは出せまい、
うん。と、一堂に会したもの全員の、一致した意見だった。

阿川佐和子「どうにかこうにかワシントン」
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by foodscene | 2009-12-30 15:33 | メキシコ