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大草原の小さな家 3 再出発

お砂糖もあります。
こんどは白砂糖はぜんぜんなく、茶色のだけでした。
白砂糖はとてもたかいのです。
でも、白いメリケン粉はすこしでしたがありました。

ひきわりトウモロコシも塩もコーヒーも、そして、
必要な種のぜんぶがそろっていました。
種ジャガイモまであるのです。
ローラは、そのジャガイモが食べられたらいいなと思いましたが、
それは植えつけるのにとっておかなければならないのでした。

とうさんは、にこにこしながら、こんどは小さな紙ぶくろをあけました。
クラッカーがぎっしりはいっているのです。
それをテーブルにおくと、とうさんは、またべつの包みをあけて、
小さなあおいキュウリのピクルスがいっぱいはいったガラスのびんをだすと、
クラッカーのそばにおきました。
「ちょっとぜいたくをしようと思ってね」とうさんはいいました。

ローラの口のなかにはつばがわいてきました。
かあさんは目をやさしくかがやかして、じっととうさんを見つめます。
とうさんは、かあさんがピクルスをとてもほしがっていたのを、ちゃんとおぼえていたのです。

でも、まだ、これでぜんぶではありませんでした。
とうさんは、かあさんに紙包みをひとつわたし、
かあさんがそれをあけるのをじっと見ていました。
なかにはいっていたのは、かあさんが服を一枚つくるのにじゅうぶんなだけの美しいキャラコの布地だったのです。

***

その日の夕ごはんは、ほんとうに久しぶりに、たのしさでいっぱいでした。
とうさんが、またぶじに家にもどってきています。
いためた塩づけブタは、カモやガンやシチメンチョウやシカ肉などばかり食べていたあとなので、
ことさらおいしく思えました。

それに、クラッカーと、小さなあおいキュウリのすっぱいピクルスは、何にもましておいしかったのです。
***

「ほら、キャロライン」
そういうとうさんの声もいつもどおりです。
「お昼にたくさんこれを料理するといいよ。
種イモにとっておいたので、長いことジャガイモなしだったからな。
もうこうなったら、ぜんぶ食べちまおう」

というわけで、その日のお昼は、その種イモを食べました。
それはとてもおいしく、とうさんが、
「大きな損には、小さな得がつきものさ」というのがよくあたっていると、
ローラは思ったのでした。

***
かあさんは、食料のはいった箱から、冷たいトウモロコシパンと肉をだして、
みんな馬車の日かげのきれいな草の上にすわって、お昼を食べました。
泉の水をくんで飲み、ローラとメアリイは、野草の花をつみながら、
草のなかをかけまわり、その間に、かあさんは食料箱を整理して、
とうさんはまたペットとパティーを馬車につけました。


ワイルダー著 恩地三保子訳「大草原の小さな家」
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by foodscene | 2012-10-23 15:38 | アメリカ

大草原の小さな家 2 クリスマス

夕ごはんには塩づけのブタ肉がありました。
これで塩づけブタはおわりになったので、とうさんは、翌日は狩りにでかけました。
***
そこで、かあさんは、できたての暖炉に、こぢんまりした炉をつくり、
草原ライチョウのローストを夕ごはんに焼きました。
そして、その夕方、はじめて家のなかで食事をしたのです。

***
外では、うす紅の空のはるかむこうまで、風は吹きわたっていき、
野生の草がはげしく波うっています。

でも、家のなかは、何もかもがここちよいのです。
ローラの口に入れているおいしいロースト・チキンは、やわらかくたっぷり汁をふくんでいます。
ローラは手も顔もちゃんとあらい、髪もとかしてもらい、
首にはナプキンがむすんでありました。
丸太の上に、姿勢よくすわり、かあさんに教えられたとおり、ナイフとフォークをじょうずにつかっています。

***
かあさんは、ひきわりトウモロコシに水をまぜて、
半月形のうすいかたまりをふたつつくり、そのまっすぐながわをならべて天火の鉄板にのせ、
それぞれの半月形に手のひらをぎゅっと押しつけました。
とうさんは、かあさんの手形がついてさえいれば、
ほかになんの味つけもいりはしないと、いつもいっています。
***
そこで、みんな、牛肉をもって、家にはいりました。
とうさんもかあさんもメアリイもローラも、
ミルクはキャリーにあげることに賛成しました。

キャリーがそれを飲むのを、みんなで見ています。
ブリキのカップでキャリーの顔はかくれてしまっていますが、
キャリーののどを見ていると、ローラには、ミルクがゴクンゴクンとおっていくのがわかります。
おいしいミルクを、キャリーはひと息に飲んでしまいました。
そして、赤い舌で、くちびるについた泡まできれいになめてしまうと、
声をたててわらいました。

トウモロコシパンとジュージューいうビフテキが焼けるまで、
まちきれないほど時間がかかったような気がしました。
でも、その歯ごたえのある、汁けたっぷりの牛肉は、生まれてはじめて食べるほどおいしかったのです。

それに、みんな、とておしあわせでした。
これからはミルクも飲めるし、たぶんトウモロコシパンにつけるバターだってできるかもしれないのですから。

***
毎日、ふたりはバケツに何ばいものブラック・ベリイをもち帰り、
かあさんは、それを日にあててほしあげました。

毎日、みんなは食べたいだけブラック・ベリイを食べ、その上、
冬に煮て食べるだけの干しブラック・ベリイがたっぷり残りました。

***
ふとったおばさんは、草原ライチョウの熱いスープをカップに入れてもってきてくれました。
「さ、いい子だから、これをみんな飲んでおしまい」おばさんはいいました。
ローラは、そのおいしいスープをきれいに飲んでしまいました。

「さあ、またひとねむりしなさいよ。
あんたがたみんながよくなるまで、ここにいて何もかもしてあげるからね」
スコットおばさんはいいました。
***
「ばかばかしい。肉切り包丁をとっておくれ。
たとえ熱がでようと寒気がしようと、このスイカは食べるからな」
「そうらしいですね」かあさんは、あきらめて、包丁をわたしました。

包丁がはいると、スイカはおいしそうな音をたてて割れました。
緑色の皮がサックリ割れると、あざやかな赤い実があらわれ、
黒い種が点々と見えます。
その赤い芯のあたりは、まるで凍っているように見えます。
その日の暑さでは、そのみずみずしいスイカは、とてもがまんができないほど心をそそりました。

でも、かあさんはぜったいに食べません。
ローラとメアリイにも、たったひと口でも食べさせてはくれませんでした。
けれど、とうさんは、たてつづけにいく切れもいく切れも食べ、
もうそれ以上はいらないとため息ついて、残りは牝牛にやろうといいました。

***
やがて、暖炉の火もパチパチ陽気な音をたてはじめ、
あぶらののったカモの丸焼きができあがり、
トウモロコシパンが焼けました。

***
ひきわりトウモロコシもずいぶん倹約したけれど、
もうほとんどないし、お砂糖だってそうですよ。
ミツバチの巣のある木をみつけることはできても、
わたしの知ってるかぎりじゃ、ひきわりトウモロコシの木なんかありゃしないし、
来年にならなければトウモロコシの収穫はないでしょうに。

それに、塩づけのブタ肉がすこしあったら、鳥や獣の肉ばかりのあとだから、
きっとおいしいだろうと思いますよ。
***
小さな紙ぶくろいっぱいの、雪のような白砂糖もありました。
かあさんが袋をあけると、メアリイとローラは、その美しい砂糖のまばゆいほどの白さをながめ、
スプーンに一ぱいずつその味をみさせてもらいました。
かあさんは、その袋の口を、またきちんとむすんでしまいます。
白砂糖は、お客さんのときにつかうのでした。

それに、とうさんは、釘もひきわりトウモロコシも脂身のブタ肉も塩も、
みんなもってきました。

***
とうさんが、大きなふとったシチメンチョウをさげてはいってきました。
「これが二十ポンドが欠けたら、羽から何から丸ごと食べてみせるぞ」
とうさんはいいます。
「クリスマスのごちそうにどうだ、これは?
ローラ、この脚一本、たいらげられるかい?」
ローラは、食べられるといいました。
***
ローラとメアリイは、あまりがっかりしないようにつとめていました。
かあさんが、野生のシチメンチョウの羽をむしって料理のしたくをしているのをながめます。
それは、まるまるふとったシチメンチョウでした。
***
ふたりは、もういちど、靴下に手をつっこんでみました。
長い長い棒キャンデーがでてきます。
紅白の縞になったハッカのキャンディーでした。
ふたりは、そのきれいなキャンディーをまじまじと見つめていましたが、
やがてローラは、自分のをほんのひとなめなめてみます。
でも、メアリイは、ローラほどいやしんぼではないので、ひとなめさえもしません。

靴下には、まだ何かはいっていました。
メアリイとローラは、何か小さな包みを見つけました。
あけてみると、ハート型のお菓子がはいっています。
すべすべした茶色の表がわには、まっしろなお砂糖がふりかけてありました。
そのピカピカしたつぶは、まるで粉雪がちらしてあるようです。

そのお菓子は、あまり美しくて、食べるのにはもったいないようです。
メアリイとローラは、ただながめてだけいました。
けれど、とうとう、ローラはそれをうら返してみて、おもてから見てはわからないように、
ほんのすこしだけかじってみました。
その小さなお菓子のうちがわはまっしろなのです!

それは、まっしろなメリケン粉に、まっしろな砂糖であまみをつけてつくってあるのです。

***
ミルクはピカピカのあたらしいカップで飲みましたが、
ウサギのシチューやひきわりトウモロコシのマッシュはとてものどをとおりません。
「むりに食べさせなくてもいいですよ、チャールズ。
すぐにお昼のごちそうですから」かあさんはいいました。

クリスマスのディナーには、やわらかくて汁のたっぷりある、
シチメンチョウのローストがでました。
サツマイモは、灰のなかにうずめて焼き、きれいにふいて、
おいしい皮ごと食べられるようにできていました。

さいごの白いメリケン粉でつくった、塩あじの、よくふくらんだパンが一本あります。
そして、そのほかに、まだ、干しブラック・ベリイの煮たのと小さなお菓子もあります。
でも、この小さなお菓子は、茶色のお砂糖がはいっていて、
表にも白砂糖がまぶしてはありませんでした。
***
とうさんが、つかれてこごえて狩りから帰ってくると、
かあさんがブリキのお皿によそってくれる、ほんのすこしの塩ブタであじをつけたとろっとした豆がゆの
夕ごはんほどおいしいものはないのです。
ローラはあついのもすきでしたし、つめたくなったのもすきで、
とにかくそれがある間、いつまででもおいしいのが豆がゆでした。
でも、九日なんて長い間残ってはいませんでした。
いつもその前に食べきってしまうのでしたから。


ワイルダー著 恩地三保子訳「大草原の小さな家」
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by foodscene | 2012-10-05 16:07 | アメリカ

大草原の小さな家 1

かあさんとローラとメアリイは、馬車のなかで、パンと糖みつを食べ、
馬たちが、鼻先にぶらさげたかいばぶくろのトウモロコシを食べている間に、
とうさんは、店のなかで、冬の間にとった毛皮を、旅で必要な品物と交換していました。
***
つぎに、とうさんはまたクリークへおりていって、
水をくんできました。
その間に、メアリイとローラは、かあさんの夕ごはんのしたくを手つだいます。
かあさんが、コーヒー挽きのなかにコーヒー豆をはかっていれ、
メアリイがそれを挽きます。

ローラは、コーヒー・ポットに、とうさんの運んできた水をいれ、
かあさんがそのポットを石炭の上にかけました。
かあさんは、鉄の天火も、やはり石炭の上にのせます。

それがあたたまる前に、かあさんはひきわりトウモロコシに塩と水を入れてこね、
小さくまるめます。
ラードをとったあとのブタの脂かすで、あたたまった天火に油をひくと、
その上にひきわりトウモロコシをまるめたのをならべ、鉄のふたをしました。

つぎに、とうさんは、そのふたの上にもよくおこった石炭をのせます。
かあさんは、その間に、脂身のたっぷりついた塩づけのブタをうすく切りわけました。
それを「スパイダー」で、あぶります。
石炭のなかに立てられるように、みじかい脚が何本かついているので、
それにはクモという名がついているのです。
もしその脚がなければ、あたりまえのフライパンとおなじなのです。

コーヒーがわき、ひきわりトウモロコシのパンも焼け、
肉もジュージューいっていて、
何もかもとてもおいしいにおいをたてているので、
ローラはおなかがグーグーいってきました。

とうさんは、火のそばに、馬車の座席をはずしてもってきました。
とうさんとかあさんはそれにすわり、
メアリイとローラは、馬車の前につきでたながえにすわりました。
みんなそれぞれ、ブリキの皿と、白い骨製の柄がついたナイフとフォークをつかうのです。

とうさんもかあさんも、それぞれブリキのコーヒー茶わんをもち、
赤ちゃんのキャリーも自分用のをもっていましたが、
メアリイとローラは、ふたりでひとつをかわりばんこにつかわなければなりませんでした。
メアリイとローラは、ただのお湯をのみます。
おとなになるまで、コーヒーは飲ませてもらえないのです。

夕ごはんを食べている間に、キャンプの火のまわりには、
うすむらさきの闇がこくなり、とほうもなく広い大草原は、もうまっくらで、
しんと静まりかえっていました。
風が草の間をこっそりとおりぬけていき、大きな空には、大きな星が、
すぐ手のとどきそうな所にキラキラかがやいているだけです。

はてしなく広がっている、肌寒い闇のなかで、
あかあかと燃えているキャンプの火は、心をなごませてくれました。
うすく切ったブタ肉は、脂がたっぷりあって、歯ごたえよくカリカリッと焼けていて、
ひきわりトウモロコシのパンもとてもおいしくできていました。

馬車のむこうの闇のなかで、ペットとパティーも、おなかいっぱい食べています。
草をかみちぎる音が、パリパリきけおてきます。

***
ベーコンとコーヒーのにおいがしていて、
ホットケーキがジュージュー焼ける音がきこえてきました。
ふたりはベッドをぬけだします。

***
したくができると、みんなきれいな草の上にすわり、
ひざにおいたブリキのお皿でホットケーキとベーコンと糖みつを食べました。
***
ローラは、自分が食べているときに、ジャックに何かやってはいけないといわれていましたが、
自分の分のなかからすこしずつジャックのためにとっておきます。
そして、かあさんは、残っていた材料をぜんぶつかって、
ジャックのために大きなホットケーキをつくってやりました。

***
メアリイがつんだ花も、ローラのも、かあさんはおなじように、
とてもきれいだとほめてくれました。
そして、水をいっぱい入れたブリキのカップにいっしょにしていれました。
それを馬車の踏段にのせ、キャンプのかざりにします。

それから、きのう焼いたトウモロコシの焼パンを二切れきって、
それに糖みつをぬると、メアリイとローラにひとつずつくれました。
それがふたりのお昼でしたが、とびきりおいしいのです。

***
「なあ、キャロライン、ここにはほしいものはなんでもあるよ。
それこそ王者のように暮らせるってものさ」
その日の夕ごはんは、たいしたごちそうでした。
露天の炉のそばにすわって、やわらかくて香ばしいおいしい肉を、おなかいっぱい食べました。
もうそれ以上食べられなくなってお皿をおいたローラは、
みちたりたため息をつきます。
もう何もいらないほどしあわせな気持ちでした。

**
ひきわりトウモロコシのマッシュに、草原ライチョウの肉汁をそえた朝ごはんをすますと、
ふたりは大急ぎで、かあさんのお皿あらいを手つだいました。

***
エドワーズさんは、もう用もないから帰るといいましたが、
とうさんとかあさんは、ぜひ夕食をしていくようにととめました。
かあさんは、そのつもりで、お客さんをもてなすために、
とくべつ上等の夕食をしたくしていたのです。

メリケン粉のむしだんごと、たっぷり肉汁をそえたウサギ肉のシチューがありました。
ベーコンの脂で香りをつけた、フーフーいうほど熱いあつやきのトウモロコシパンがありました。
トウモロコシパンにつけるように、糖みつがそえてありましたが、
これはお客さまもいっしょの食事なので、コーヒーには糖みつはつかわないのです。
かあさんは、店で買ったうす茶色の砂糖のはいった小さな紙ぶくろをだしてきました。

エドワーズさんは、こんなにおいしい夕食をごちそうになって、ほんとうにうれしいといいました。

***
そして、コーヒー・ポットと足つきフライパンのまわりに石炭をかきおこし、
天火の上にもよくおきた石炭をのせました。
草原ライチョウの肉は足つきフライパンの上でジュージューいいだし、
ひきわりトウモロコシの焼きパンからはいいにおいが立ちのぼりはじめました。
けれど、料理をしながらも、かあさんは、まわりの大草原の四方八方に目をくばっています。

***
朝ごはんのしたくができました。
とうさんがクリークからもどると、みんな炉のまわりにすわって、
焼いたマッシュポテトと草原ライチョウの煮こみを食べました。

ワイルダー著 恩地三保子訳「大草原の小さな家」
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by foodscene | 2012-10-02 15:07 | アメリカ

農場の少年 8 クリスマス

アルマンゾはインディアンごっこにあきると、アリスとならんで丸木に腰かけ、
ブナの実を歯で割った。
ブナの実は三つ角があって、小さくてピカピカした黄色なのだ。
殻は小さいけれど、なかにはびっしり実がつまっている。
とにかくとてもおいしいので、いくら食べてもあきないほどだった。
アリスはともかく、アルマンゾは、ワゴンが帰ってくるまで、
食べつづけに食べていてもあきないのだった。

***

午後ずっと、父さんたちは肉を切り分けることをつづけ、
ローヤルとアルマンゾはそれをそれぞれの置場に運んだ。

脂身のブタ肉は、地下室の樽のなかに塩にまぶしておさめた。
尻肉と肩肉は、茶色のポーク・ピックルの桶に、
はねかさないようにそっとすべらせて入れた。
ポーク・ピックルは、母さんが塩とメイプル・シュガーと硝石に水をくわえて、
煮たててつくっておいたのだ。
その強い匂いをかぐと、いまにもくしゃみがでそうな気がする。

骨つきあばら肉、背骨、肝臓、舌、そしてソーセージにするこまかい肉は、
ぜんぶ薪部屋の屋根裏に運びあげなければならなかった。
父さんとジョウは、牛肉の四分の一もそこへつるしたのだった。
その肉は屋根裏で凍ってしまい、冬じゅうそのまま冷凍されたままでいるのだ。

晩までには何もかもが片づいてしまった。
フレンチ・ジョウとレイズィー・ジョーンは、
その日の日当にあたらしい肉をもらって、
口笛を吹きながら帰っていった。

母さんは夕食に骨つきあばら肉(スペヤー・リブ)を天火で焼いてくれた。
長くひらたい、反りのある骨にくっついた肉を、
かじったりしゃぶったりするのがアルマンゾは大すきだった。
なめらかなマッシュポテトにかかっているとび色の豚の肉汁もおいしかった。

つぎの週はずっと、母さんと女の子たちは働きどおしで、
母さんはいつもアルマンゾを台所にいさせて、用をいいつけた。

いちばんはじめはラードづくりだった。
豚の脂を小さく切って、ストーブにかけた大きな鍋で煮たてる。
脂がとけきると、母さんは白い布で漉して、よく澄んだ熱いラードを大きな石の瓶に流しこむのだ。

母さんがラードをしぼりきると、布のなかには、
カリカリした、茶色のしぼりかすが残る。
アルマンゾは、すきを見ては、それをふたつ三つつまんでこっそり食べるのだ。
母さんは、油っこすぎるからと、アルマンゾに食べさせてはくれないのだった。
母さんは、このしぼりかすを、トウモロコシパンの味つけにするのにとっておくのだ。

つぎに、母さんは頭肉チーズをつくった。
母さんは、まず、六つ分の頭を、肉が骨からはなれるまでよくゆでた。
その肉をこまかくきざみ、味つけをして、そこへゆで汁をくわえて、
六クォート入りの平鍋に流しこんだ。
よくさめると、プルプルしたジェリイのようになる。
骨からゼラチンがでるからだった。

つぎに、母さんは、ミンス・パイなどにつかうミンス・ミートをつくった。
牛肉と豚肉のくず肉のなかでいちばんいいところをよって、
ゆでてからごく細かくきざんだ。
それに、レイズンや香料や砂糖や酢やリンゴのきざんだものにブランデイもいれてよくまぜあわせ、
大きな瓶ふたつに、そのミンス・ミートをつめた。
匂いだけでもすばらしくおいしそうなのを、ボールにくっついて残ったのを母さんは
アルマンゾに食べさせてくれた。

母さんがそうやってつぎつぎにいろいろつくっている間にずっと、
アルマンゾはソーセージにする肉を挽いていたのだ。
山のような肉のきれっぱしを、あとからあとから肉挽き器のなかに押しこんでは、
ぐるぐる、ぐるぐる、何時間もハンドルをまわしつづけていた。
やっとそれが終わると、アルマンゾはやれやれという気がした。

母さんは、その肉に味つけをして大きな玉にまるめた。
アルマンゾはその玉をぜんぶ薪部屋の屋根裏まで運んで、きれいな布の上に積みあげさせられたのだった。
冬じゅう、ソーセージはそこで凍っていて、
毎朝、母さんはその玉のひとつをいい形に切り分けて、朝食にいためてだすのだ。

***
台所には、おいしそうな匂いがたちこめていた。
焼きたてのパンが台の上でさましてあり、食料部屋の棚には、粉砂糖で飾ったケーキや、クッキーや、
ミンス・パイやアップル・パイがならんでいるし、ストーブの上ではツルコケモモの実がグツグツ煮えていた。
母さんは、ガチョウのローストにかける特別のソースをつくっていた。

***
アルマンゾは、もう一度靴下に手をつっこんで、
五セントはするにがはっかあめ(ホアー・ハウンド・キャンディー)の束をひっぱりだした。
その一本の先をかじってみる。
外側はカエデ糖のようにすぐ口のなかでとけてしまったが、なかはかたくて、
いくらなめてもなくなりそうもなかった。

つぎに出てきたのは、あたらしいミトンだった。
母さんは、手首と甲は、手のこんだ編みかたをして仕上げてくれたのだ。
そのつぎにはオレンジが、そして、そのあとから干しイチジクの小さな包みが出てきた。
**

クリスマスの日なので、感謝の祈りはいつもより長かった。
けれど、とうとうお祈りもすみ、アルマンゾは目をあけることができた。
そのまま、だまってテーブルをじっと見つめている。

藍色の大皿にのって、口にリンゴをくわえた、カリッと焼きあがった小豚をまず見つめる。
足をぐっとつきたてた、よく肥えたガチョウと、それにかけたとろっとしたソースの端っこが
大皿にひろがっているのを見つめる。
父さんが砥石でナイフをとぐ音がきこえると、ますますおなかがすいてきた。

こんどは、大きな鉢にはいったツルコケモモのジェリイや、
マッシュポテトのふわふわした山にバターがとけて流れていくのをながめた。
山のような大カブのマッシュ、金色の、天火で焼いたカボチャ、それにうす黄色のパースニップのいためたのも見る。

アルマンゾは、ぐっとつばをのみこみ、もう見るのをやめようと思った。
でも、リンゴとタマネギのいためたのや、砂糖煮のニンジンなどがどうしても目にはいってくる。
それに、自分のすぐ前におかれた、三角に切ったパイには目が吸いよせられてしまうのだった。
香料のきいたパンプキン・パイ、とろっとしたクリームのパイ、
ミンス・パイの何枚も何枚も重なった皮の間からは、
こってりした濃い茶色のなかみがはみだしている。

アルマンゾは、両手を膝にはさんで、ギュッとしめつけた。
黙ってじっと待っていなければならないのだが、
おなかの虫がキューキュー鳴っているのだ。

テーブルの上座にすわったおとなたちに、先に料理を盛りつけるのがきまりだった。
おとなたちは、手から手へお皿をわたし、しゃべったり、
アルマンゾの気も知らないで、笑ったりしている。
父さんの大きなナイフが動くたびに、やわらかい豚肉がひと切れずつ大皿におちた。
ガチョウの白い胸肉が切りとられてゆくのにつれ、
骨がだんだん見えてくる。
すきとおったクランベリイのジェリイをスプーンが容赦なくすくいあげ、
マッシュポテトのなかにもぐってつっこまれ、茶色のグレイビイもどんどんへっていく。

やっと、アルマンゾのお皿に盛りつけてもらえた。
ひと口ほおばっただけで、なんともいい気分がからだのなかにひろがり、
夢中で食べつづけている間、ますますそれは強まっていった。
アルマンゾは、もうこれ以上はむりというほど食べつづけ、
満ちたりた気分でいっぱいになった。
それでもまだ、しばらくふたつめのフルーツケーキをちょびちょびかじっていたが、
その食べかけをポケットにつっこんで、外にあそびに出ていった。

***
アルマンゾはだまって食べつづけていた。
もちろん、父さんたちの話をきいてはいたが、
ロースト・ポークとアップル・ソースの味を、たっぷり楽しんでいたのだ。
冷たいミルクをぐうっと飲み、ふうっと息をつくと、
ナプキンを衿もとに押しこみ、パンプキン・パイに手をのばした。

金茶色のカボチャの、香味と砂糖で濃く色がついた、
プルプルしている三角の先っぽをフォークで切りとった。
それは舌の上でとろっととけ、口も鼻も香味のいい匂いでいっぱいになった。

ワイルダー 恩地三保子訳「農場の少年」
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by foodscene | 2012-09-11 16:49 | アメリカ

農場の少年  7 豊かな感謝祭

その日、また、アイスクリームをみんなで作った。
アリスはパウンドケーキの作りかたを知っているというのだ。
まずパウンドケーキを作り、それから客間へ行ってすわるのだという。

午後になると、アルマンゾは、パウンドケーキが焼けたかどうか見に、
台所へはいっていった。
アリスがちょうど天火からそれを出しているところだった。
すごくいい匂いなので、アルマンゾははじっこをちょっと失敬した。
すると、アリスが、欠けた所をごまかすためにひと切れ切り、
それからもうふた切れ、最後のアイスクリームといっしょに食べた。

「もっとアイスクリームをつくれるけど」アリスはいった。
イライザ・ジェインは二階にいる。
で、アルマンゾはいった。
***
ちょうど十時ごろ、母さんが食事を知らせるときにつかうラッパを吹いた。
アルマンゾは、それがなんの合図か知っていた。
フォークを地面につっ立てると、走ったりスキップしたりして牧草地を家までとんでいった。
裏のポーチでは、牛乳桶にあふれるほど冷たいエッグ・ノッグをいれたのを手に、
母さんが待っていた。

エッグ・ノッグは、ミルクとクリームにタマゴと砂糖をたっぷり入れてつくるのだ。
上のよく泡のたったところには香料がケシ粒のように浮んでいて、
氷のかけらがあちこちに見えていた。
牛乳桶の外側は、露がびっしりついている。

アルマンゾは、その重い桶をさげひしゃくを持って、
草狩り場までよろよろ歩いていった。

ふとアルマンゾは思うのだった。
桶には縁までいっぱいエッグ・ノッグがはいっているから、
もしかするとすこしこぼれてしまうかもしれない。
母さんは、もったいないからすこしでもむだにしないようにといったのだ。
たしかにひとしずくでもむだにしたら、とてももったいない。
だから、なんとかしなくては。

そこで、アルマンゾは、桶を置いて、ひしゃく一ぱいすくうと、
エッグ・ノッグを飲んだ。
冷たいエッグ・ノッグはのどをするっと通っていき、
からだの芯がずっとすずしくなった。

草狩り場へつくと、みんなが仕事の手をとめた。
カシの木の日かげに立って、帽子を押しあげ、
順ぐりにひしゃくを手わたしながら、エッグ・ノッグがすっかりなくなるまで飲んでしまった。
アルマンゾも自分のはたっぷり飲んだ。

いまは、そよ風までがすずしく感じられ、レイズィー・ジョーンは口ひげについた泡をふきながらいった。
「ああ、うまかった!これで生きかえったよ!」

ここで、父さんたちは大鎌を砥いだ。
グラインダーは鎌の刃に陽気な音をたてた。
そして、みんな元気いっぱいで仕事にもどっていったのだ。
父さんは、午前と午後に休んでエッグ・ノッグをたっぷり飲めば、
一日分の仕事をうわまわるくらいの働きができるのだと、いつもいっていた。

***
いまは誰も休む暇もあそぶ暇もなかった。
ロウソクの火をつけて起きだし、
ロウソクをつけるまで働いた。

母さんと女の子たちは、キュウリのピクルス、あおいトマトのピクルス、スイカの皮のピクルスをつくっている。
トウモロコシを粒にして干したり、リンゴを切って干したり、
プリザーブをつくったりもしている。
何もかも手ぎわよく保存しなければならないのだ。
夏の恵みのすべてを、すこしでもそまつにはできない。

リンゴの芯までが、酢をつくるためにとっておかれたし、
カラス麦の麦わらの束も裏ポーチのたらいにつけてあった。
母さんは、ほんのちょっとでも暇があると、来年の夏の帽子をつくるために、
カラス麦のわらを一インチでも二インチでも編んでおくのだった。

***
ジャガイモは、外側は真黒にこげていたが、なかは白くてほくほくしていて、
ものすごく香ばしいまる焼きジャガイモの匂いがパーッとたちのぼった。
ふたりは、ちょっとさましてから、こげた皮のなかがわを歯ですくうようにして食べていったが、
そのおいしさといったら、生まれてはじめてのような気がした。
すっかり元気がでて、ふたりはまた仕事にもどっていった。

***
教会の食堂はもう人でいっぱいだった。
長いテーブルのどの席もふさがっていて、イライザ・ジェインとアリスはほかの女の子たちにまじって、
台所から山盛りの大皿を運ぶのにおおいそがしだった。
ありとあらゆるいい匂いがしてきて、
アルマンゾはおもわずつばをのみこんだ。

父さんが台所へはいっていくのについて、アルマンゾもなかへはいっていった。
台所は女の人でいっぱいだった。
せかせかとゆでハムやロースト・ビーフをうすく切ったり、
ロースト・チキンを切りわけたり、野菜を盛りつけたりしている。
母さんは、ものすごく大きな料理用ストーブの天火をあけて、
ローストした七面鳥やカモをとりだしていた。

壁ぎわに三つの大樽がおいてあり、
ストーブの上で煮たっている大釜から、長い鉄のパイプが樽のなかへはいっていた。
樽のすき間というすき間からは、湯気がプープーふきだしていった。
父さんがひとつの樽の蓋をぎゅっとまわしてあけると、
湯気がもうもうとあがった。
アルマンゾがのぞいてみると、なかは、ホカホカ湯気をたてているきれいな茶色の皮つきのジャガイモで、
いっぱいになっていた。
外の空気があたると、皮がはじけ、くるっとめくれて白いなかみがのぞく。

アルマンゾのまわりには、いろいろな種類のケーキやパイがずらっとならんでいて、
おなかがペコペコなので、それを全部でも食べられそうな気がする。
けれど、もちろん、たったひとかけらにでも、アルマンゾは手をだしたりはしなかった。

やっと、アルマンゾと父さんも食堂の長いテーブルの席にありついた。
誰も彼も、笑ったりしゃべったり、とてもたのしそうだったが、
アルマンゾはただ夢中で食べていた。

ハム、チキン、七面鳥にそのつめものだのジェリイだのをそえて食べた。
ジャガイモには肉汁をかけ、豆とトウモロコシの煮たの、
ベイクド・ビーンズ、豆の煮こみ、タマネギなどを、白パンやインディアン風カラス麦パン、
ライ・アン・インジュンをそえて食べ、あまいピクルスだのジャムだのプリザーブを食べた。
ここでひと息ついて、こんどはパイを食べだした。

パイを食べはじめてみて、アルマンゾはほかのものは何も食べなければよかったと後悔した。
パンプキン・パイをひときれ、カスタード・パイもひときれ、
そして、タマゴのかわりに酢をつかった皮でつくったヴィニガー・パイもほとんどひときれ食べてしまった。
干しブドウやリンゴをひき肉にまぜて香料をいれたミンス・パイにも手をだしたが、
さすがに食べきれなかった。
まだほかに、ベリイ・パイ、クリーム・パイ、レイズン・パイなどおいしそうなパイがあったが、
なんとしてももう食べられない。
アルマンゾのおなかは、いまにもはち切れそうだった。


ワイルダー 恩地三保子訳「農場の少年」
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by foodscene | 2012-08-06 16:00 | アメリカ

農場の少年 6 Candy Pull

「ねえ、アイスクリームをつくろうや!」ローヤルが大声をあげた。
イライザ・ジェインは、アイスクリームが大すきなのだ。
ちょっとためらったが、「そうねえ…」という。

ローヤルのあとからアルマンゾは氷蔵へ駆けていった。
ふたりでおがくずから氷をひとかたまり掘りだすと、
穀物をいれる麻袋にいれた。
その袋を裏ポーチにおいて、手斧でたたいて氷をくだいた。

タマゴのしろみを深皿で泡だてながら、アリスが外へ出てきてそれをながめていた。
アリスはフォークでしろみを細かくくだいて、
深皿をかたむけても流れおちなくなるほどかたく泡だてた。

イライザ・ジェインはミルクとクリームをカップではかり、
食料部屋の樽の砂糖をすくい入れた。
それはふだんづかいのメイプル・シュガーではなく、
店で買った白砂糖だった。

母さんはお客さんのときにしか使わないのだ。
イライザ・ジェインはカップにたっぷり六ぱい分すくいとると、
残りの砂糖を平らにならしてあとでわからないようにした。

イライザ・ジェインは、大きな乳桶一ぱいの黄色いアイスクリームのもとをつくった。
その桶をたらいのなかに据え、そのまわりにごく細かくくだいた氷を塩をふりながらつめ、
上からすっぽり毛布をかぶせた。
二、三分おきにその毛布をどけて、桶のふたをとり、
かたまりかけのアイスクリームをかきまわした。

アイスクリームができあがると、
アリスがお皿とスプーンを持ってきて、
アルマンゾは大きなケーキと肉切り包丁をもちだしてきた。
アルマンゾはケーキをとてつもなく大きく切りわけ、
イライザ・ジェインがお皿に山盛りにアイスクリームを盛りつけた。
みんな心ゆくまでアイスクリームとケーキが食べられた。
誰もとめる人がいないのだから。

正午になると、みんなは残りのケーキ全部と、アイスクリームをほとんど食べてしまった。
イライザ・ジェインは昼ごはんのしたくをしなくてはといったが、
誰も昼ごはんあんか食べたくないというのだった。

アルマンゾはいった。
「食べたいのはスイカだけだ」
アリスはパッと立ちあがる。
「そうだっ!とりに行ってこようよ!」

***
アリスとアルマンゾは、暑いスイカ畑へはいっていった。
しおれかかったひらたい葉の上に、
スイカはコロコロならんでいた。
アルマンゾはその緑の皮を指ではじいて、耳をすます。

よく熟しているときには、じゅくした音がするし、
まだ若いとわかい音がするのだ。

***
そこで、結局、ふたりはいちばん大きいのを六個とって、
ひとつずつ氷蔵に運びこみ、しめった冷たいおがくずの上にのせた。

そのあと、アリスは朝の食事のあとかたづけに家へゆき、
アルマンゾは自分は何もしないつもりだといった。
***
台所では、イライザ・ジェインとローヤルが、キャンディーのことで口あらそいをしていた。
ローヤルはキャンディー・プルをしたいといい、
イライザ・ジェインはそれは冬の夜だけのものだというのだ。

ローヤルは、キャンディー・プルは夏だってしてわるいはずはないといっている。
アルマンゾも同じ意見だった。
そこでなかへはいってローヤルの味方をした。

キャンディー・プルをするためには、まず熱くとけたキャンディーをつくらなければならない。
アリスはその作りかたを知っているといった。
イライザ・ジェインは反対した手前つくろうとしない。

それで、アリスが砂糖と糖蜜(モラセス)をまぜ、
火にかけて煮たてた。
それから、バターを塗った深皿に、とけたキャンディーを流しこみ、
ポーチにおいてさました。

みんな袖口をまくりあげ、
手にはバターを塗りつけてキャンディー・プルのしたくをした。
反対したイライザ・ジェインまでが、やはり手にバターを塗っている。

その間ずっと、ルーシイはアルマンゾをキーキーと呼びたてていた。
アルマンゾは、キャンディーがほどよくさめたかどうか見にポーチに出ていき、
自分の豚にもすこしわけてやってもいいだろうと思った。

キャンディーはもうさめていた。
誰も見ていないので、やわらかい茶色のキャンディーをひとつかみとると、
ルーシイの大きくあけた口に、ポーチの端からポンとほうりこんでやった。

いよいよキャンディー・プルがはじまった。
みんなバターを塗った手でやわらかいキャンディーをギューッと引っぱってつかみあげ、
細長くなったのをふたつ折りにし、またギュッとのばした。
そうやって引っぱるたびに、ひとくち口にいれる。

そのキャンディーはものすごくべたついた。
歯にくっつき、指にも顔にもべたべたつき、
どういうわけか髪の毛にまでくっついてしまい、
アルマンゾが床に落とすと、べったりはりついてとれなくなった。
いつもは、はじめはべたべたしても、じきにかたくなってカリカリしてくるのに、
これはそういかないのだ。

みんな、何度となくふたつ折りにしてはギュッとのばしてみた。
いつまでたってもキャンディーはやわらかくてべたべたしていた。
寝る時間はとっくにすぎてしまい、とうとうみんなあきらめて寝にいったのだった。

ワイルダー 恩地三保子訳「農場の少年」
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by foodscene | 2012-07-16 15:59 | アメリカ

農場の少年 5 夏の楽しみ

翌朝には、ジョーンが朝ごはん前にやってきて、
父さんはアルマンゾに早く食べてしまうようにとせきたてた。
アルマンゾはアップル・パイの大切れを手に放牧場へ出ていき、
クローバーの香りを吸いこみながら、香料のきいた煮リンゴと薄いパラパラほぐれるパイ皮を口いっぱいほおばりながら歩いていった。
指先をなめおわると、羊たちを寄せあつめ、露にぬれた草の上をとおって、
南納屋の羊舎に追いこんでいった。

***

緑の葉かげにかたまったイチゴをみつけると、
どうしてもいく粒かは口にいれずにはいられなかった。
ヒメコウジの緑の小枝をちぎって、それも食べた。
あまずっぱいミヤマカタバミの茎を、かぼそいスミレ色の花のじき下まで噛んでみたりもした。

でも、家へ帰るときには、いつもかならず桶いっぱいのイチゴを持って帰った。

その日の夕ごはんには、クリームをかけたイチゴが出て、
つぎの日に、母さんはイチゴのプリザーブをつくった。

***

馬のつなぎ杭がある横に、レモネードのスタンドが出ていた。
男がピンクに色をつけたレモネードをコップ1ぱい5セントで売っていて、
町に住んでいる男の子がそのまわりにたかっていた。
いとこのフランクがそのなかにいる。

アルマンゾは町の井戸で水を飲んできたが、
フランクはレモネードを買うんだといった。
ちゃんと5セント玉をもっている。
フランクは、スタンドでピンク色のレモネードを買うと、
わざとゆっくり飲んでみせ、舌なめずりをし、
おなかをなでなでいう。
「ああ、うまい!なぜ買わないんだい、アルマンゾ?」

***
ほんのわずかな間に、ふたりはすばらしいマスを紐につぎつぎと通していった。
たっぷり二本分も釣ったのだった。
父さんはアルマンゾの釣ったのをほめ、アルマンゾは父さんのをほめ、
そして意気ようようと雨のなかをクローバーを踏んで家へ帰っていった。

ふたりともこれ以上ぬれられないというほどぐしょぬれになっていたが、
肌はポッポッとあたたまってきていた。

そのまま、雨のなかで、薪置場の薪割り台の前にすわり、
魚の頭を切りおとし、銀色のうろこをはぎ、腹をさいて腹わたをぬいた。

牛乳入れの大鍋はマスでいっぱいになり、
母さんはそれをひきわりトウモロコシにまぶして、
昼ごはんのために油であげてくれた。
「さて、午後からは攪乳を手つだっておくれよ、アルマンゾ」
母さんはいった。

このごろでは、牝牛はとてもたくさん乳をだすので、
攪乳は週に二回しなければならなかった。
母さんやねえさんたちはその作業にあきてしまっているので、
雨の日にはアルマンゾにその役がまわってくるのだった。

***

ゴトン、ゴトンゆさぶられる樽のなかで、
クリームがだんだんに変化して、小さな粒になったバターがバターミルクに浮かんでくるまで、
アルマンゾは攪乳をつづけなければならなかった。

そのあと、母さんがバターの粒をすくいあげ、まるい木鉢にいれて水で洗い、
アルマンゾは、すこしすっぱみのあるとろっとしたバターミルクを大カップ一ぱい飲みながら、
クッキーを食べるのだ。
母さんは、バターの粒からバターミルクをすっかり洗いおとすと、塩をまぜ、
かたい金色のバターをバター桶におさめるのだった。

***

正午になると、お弁当のバスケットが泉のそばでひらかれ、
すずしい木かげで、ベリイつみの人たちはみんな集まって、
食べたりおしゃべりをしたりした。
そして、泉の水を飲むと、またベリイの茂みへもどっていった。

まだ午後も早いのに、籠にも桶にも全部、
あふれるようにベリイがとれ、
父さんはワゴンを家へむけて走らせた。
日光をあびつづけ、ベリイの熟れた匂いをかぎつづけたせいで、
みんななんとなく眠気がさしていた。

何日も何日も、母さんと女の子たちはジェリイやジャムやプリザーブをつくりつづけ、
食事のたびにハックルベリイ・パイやブルーベリイ・パイが出たのだった。

ワイルダー 恩地三保子訳「農場の少年」
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by foodscene | 2012-07-12 15:52 | アメリカ

農場の少年 4 日曜日とカエデ糖

食料部屋では、母さんが、6クォート(約5.7リットル)入りの鍋に
ゆでた豆をいっぱいにして、タマネギ、コショウ、豚の脂身をひと切れいれると、
糖蜜をその上からたっぷりかけた。
ベイクド・ビーンズの下ごしらえだ。

こんどは、粉の樽をあけているのが、アルマンゾの所から見える。
母さんは、大きな黄色い瓶に、ライ麦粉とひきわりトウモロコシをパッパッと投げこみ、
ミルクとタマゴなどをかきまぜながら流しこみ、
大きな天火の焼き皿に、その灰黄色のインディアン風ライ麦パン(ライ・アン・インジュン)のたねをいっぱいにいれた。

「アルマンゾ、ライ・アン・インジュンを持ってっておくれ。
こぼさないようにね」
母さんはそういうと、豆の鍋をさっと持ちあげ、
アルマンゾは、重いライ・アン・インジュンの天火皿を持って、
こぼさないように気をつけながら母さんについていった。

父さんが、暖房用のストーブの天火の大きな扉をあけ、
母さんが豆とパンだねをなかへすべりこませた。
こうしておくと、日曜の昼までに、両方ともゆっくりいいぐあいに仕上がるのだった。

***
翌朝、アルマンゾが、両手に乳桶をさげてよたよたしながら台所にはいっていくと、
母さんがホットケーキを何段にも積みあげたのを焼いていた。
日曜日だからだ。

ストーブの上には、直火のあたらないわきによせて、
ぷっくりしたソーセージを山のように盛った大きな藍色の盛り皿がのっているし、
いつものように、イライザ・ジェインはアップル・パイを切っているし、
アリスはオートミールを盛りつけていた。

いつもとちがうのは、小さな青い盛り皿が、さめないようにストーブの奥においてあり、
何段も積みかさねたホットケーキが、十山ならんでいることだった。
ジュージュー煙のたつ焼盤の上では、一度に10枚分のホットケーキが焼け、
母さんは焼けるはしから、重ねたホットケーキの上に1枚ずつ手早くのせていって、
バターをたっぷりぬってメイプル・シュガーをふりかける。
バターとメイプル・シュガーはとけてまざりあい、
ふわふわしたホットケーキにしみこみ、
カリッとした縁をつたってしたたりおちた。

これが「重ねホットケーキ」だった。
アルマンゾは、ホットケーキの種類のなかでは、これがいちばんすきだった。

母さんは、みんながオートミールを食べ終わるまで、
ホットケーキを焼きつづけている。
この重ねホットケーキは、いつも、どんなにたくさん焼いてもたりないほどだった。
みんなホットケーキの山をつぎからつぎへとたいらげ、
アルマンゾがまだ食べつづけていると、母さんがあわてて椅子をうしろへ引くといった。
「まあたいへん!8時じゃないの!さあいそがなきゃ!」

***

日曜の昼食のごちそうを前にテーブルにつくと、
アルマンゾはすこし元気が出てきた。

母さんは、自分のお皿の横においたパン切り板で、ほかほかしているライ・アン・インジュンパンをうすく切りわけている。
父さんはスプーンをチキン・パイの下までぐっといれた。
厚い皮を大きくひとすくいすると、
フカフカした下側を上にお皿に盛りつける。
それにグレイビイをたっぷりかけ、やわらかい鶏肉の大きな切れを、
白身と赤身を骨からはずしながらその上にすくいとった。

そのそばにベイクド・ビーンズをひと山盛ると、
プルプルしている豚の脂身をひときれのせた。
お皿の端には、真紅の赤カブのピクルスをそえ、
父さんはそのお皿をアルマンゾに渡した。
アルマンゾはだまってそれを全部たいらげた。

そのあと、カボチャのパイをひと切れたべると、
さすがにおなかがいっぱいになった。
それでもまだ、アップル・パイをひと切れ、
チーズをそえてたいらげた。

食事がすむと、イライザ・ジェインとアリスがあと片づけをし、
父さんと母さんとローヤルとアルマンゾは、仕事は何もしなかった。
午後じゅうずっと、みんな眠気をさそうあたたかい食堂にすわっていた。
母さんは聖書を読み、イライザ・ジェインは本を読んでいた。

***

ときどき、アルマンゾも生のニンジンのかけらをたべる。
外側のところが一番おいしかった。
厚くてきめの細かい外の皮はポロッとまるくむけ、甘味がある。
中側はもっと汁気があって黄色い氷のようにすきとおっていたが、
かすかにピリッとからい味がした。

***
正午には、樹液はぜんぶあつめられ、鉄鍋のなかで煮たっていた。
父さんはお弁当をひろげ、アルマンゾは、父さんとならんで丸木に腰をおろした。
ふたりは食べたり話したりする。
足を火のほうにのばし、うしろには丸木が山と積んであり、
よりかかるのに具合がいい。
ふたりのまわりは、一面に氷と深い森だけだったが、
そうしていると、とてもいごこちがよくいい気分だった。

お弁当を食べおわると、父さんは、樹液の煮えかげんをみているために、
焚火のそばで番をしていたが、
アルマンゾはヒメコウジ(ウィンター・グリーン)の実をさがしにいった。

南の斜面の雪の下に、厚い緑の葉の間に、
真赤な実がなっていた。
アルマンゾはミトンをとって、素手で雪をかきわけた。
赤い実がかたまっているのをみつけ、
口いっぱいにほおばる。
冷たい実が歯にきしみ、香ばしい汁がほとばしりでた。

雪のなかから掘りだしたウィンター・グリーンの実ほどおいしいものは、
そうはないのだった。
アルマンゾの服は雪にまみれ、指はかじかんで赤くなっていたが、
南の斜面を全部あさりつくすまでは、そこをはなれなかった。

カエデの幹の間に太陽がひくくなっていくと、
父さんは、焚火に雪を投げこみ、火は、ジュージューいって、
湯気をあげながら消えていった。

父さんは、火が消えると、熱い煮つまったシロップを桶にくみこんだ。
父さんとアルマンゾは、また天秤棒をかついで、
桶を家まで運んで帰った。

ふたりは、台所のストーブの上にある大きな赤銅の鍋に、
運んできたシロップをあけた。
それから、アルマンゾは夕仕事にかかり、父さんは、
残りのシロップを森にとりにいった。

夕食がすんだときには、シロップはもう固めることができるようになっていた。
母さんは、6クォートの牛乳鍋に、シロップをひしゃくでくみいれ、
そのままさますように置いておいた。
朝には、かたいカエデ糖の大きなかたまりが、どの鍋にもできあがっていた。

母さんは、そのまるい金茶色のかたまりを、鍋をポンとひっくり返してだすと、
食料部屋のいちばん上の棚にしまった。

毎日毎日、樹液は流れだし、毎朝、
アルマンゾは父さんといっしょに出かけては、
それをあつめて煮つめ、毎晩、母さんがそれをメイプル・シュガーに仕立てた。
もう、一年分のメイプル・シュガーはたっぷりできてしまったのだ。
そして、最後のシロップは、たた煮つめて、
そのまま大きな瓶に入れて、地下室にたくわえた。
これが一年分のメイプル・シロップになるのだった。

アリスは学校から帰ると、アルマンゾのまわりをかぎまわって、大声をあげた。
「あらっ、ウィンター・グリーンの実を食べたわね!」
アリスは、自分は学校へ行かなければならないのに、
アルマンゾは、樹液をあつめにいって、ウィンター・グリーンの実を食べたりしているのは、
とても不公平だというのだ。

***

そして、日曜のたびに、ふたりいっしょにそこへ出かけて、
雪をかきわけるのだった。
アルマンゾが赤い実をひとかたまり見つけると大声でわめき、
アリスが見つけると金切声をあげ、
ときどきは半分ずつわけ、ときどきは全部ひとりじめした。

そして、その南の斜面を、ふたりは四つんばいになってさがしまわり、
午後いっぱいウィンター・グリーンの実を食べた。

アルマンゾは、厚い緑の葉を桶一ぱい持って帰り、
アリスがそれを大きなびんにつめこんだ。
母さんがそれにウィスキーを口までそそぎ、
そのまま地下室においた。
これが、母さんがケーキやクッキーをつくるときに使う、
ウィンター・グリーン香味になるのだった。

ワイルダー 恩地三保子訳「農場の少年」
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by foodscene | 2012-07-09 16:34 | アメリカ

農場の少年 3 天火仕事の日

五、六度、アルマンゾは家へもどっていって、
リンゴやドーナツやクッキーを仕入れてきた。

アルマンゾは、屋根裏の父さんの仕事部屋へと、梯子をのぼっていった。
雪のように白いミトンを首からつるした紐の先にぶらぶらさせたまま、
右手にはドーナツ、左手にはクッキーをふたつ持って。
ドーナツをひとくち、つぎにクッキーをひとくちかじった。

アルマンゾは階下へおりていき、ドーナツの壺からもうふたつドーナツをつまみだすと、
また外へ出ていき、橇であそんだ。

***

「何がいちばん食べたい?」
ふたりは、豚の骨つきあばら肉の焼いたの、七面鳥のまる焼き、
ベイクド・ビーンズ、カリッと焼けたひきわりのトウモロコシパンなど、
つぎつぎとおいしいものを言いっこした。
けれど、アルマンゾは、何よりもいちばんすきなのはリンゴとタマネギをいっしょにいためたのだといった。

ふたりがやっと昼食を食べに食堂にはいっていくと、
なんと、テーブルには、それが山盛りになった大皿があったのだ。
母さんはアルマンゾがいちばんすきなものをちゃんと知っていて、
それをつくっておいてくれたのだ。

アルマンゾは、リンゴとタマネギをいっしょにいためたのを四回もたっぷりおかわりをした。
そのあと、茶色の肉汁をかけたロースト・ビーフ、マッシュポテト、
ニンジンのクリーム煮、カブのゆでたの、それにバタつきパンをいくきれもいくきれも、
野生リンゴのジャムをつけて食べた。

「育ちざかりの男の子のおなかは、ほんとに底なしなんだから」
母さんはそういいながら、アルマンゾの空になったとり皿に、
鳥の巣プディングの大きく切りわけたのをつけ、香料のナッツメグをちらした、
あまくしたクリームのはいったミルクいれを渡してくれた。

ふわふわしたパイ皮のなかにリンゴの煮たのを埋めこんだプディングの上に、
アルマンゾは濃いクリームをたっぷりかけた。
プディングのとろっとした茶色の汁が、白いクリームのまわりから盛りあがる。
アルマンゾはスプーンをとりあげ、きれいにたいらげてしまった。

***

こうしておがくずに埋められた氷は、夏のいちばん暑いときにも、
けっしてとけはしないのだった。
四角い氷のかたまりを、一度に一個ずつとりだして、
母さんがアイスクリームやレモネードや冷たいエッグ・ノッグをつくってくれるのだ。

***
氷蔵の仕事がすっかりおわったその夜は、土曜の夜にあたっていた。
母さんは、いつもそうしているように、一日じゅう、
天火でパンやケーキを焼いたり、パンをつくったりしていた。

乳しぼりの桶をとりに、アルマンゾが台所にはいっていくと、
母さんはまだドーナツをあげていた。
台所じゅうに、あげたてのドーナツの香ばしい匂い、焼きたてのパンの小麦のような匂い、
ケーキ類の香料の匂い、パイのあまい蜜のような匂いがたちこめていた。

アルマンゾは、あげたてのドーナツのいちばん大きいのをとって、
カリカリするはじっこをかじった。
母さんは、金色のドーナツだねを、細長くのしておいて、それをちぎって手のひらで
細い棒にして、それをふたつ折りにしてくるっとねじるのだ。

母さんの指は、目にもとまらないはやさで動いている。
母さんがさわっただけで、細い棒がかってにねじれて、
熱い豚脂がうずまいて煮えている赤銅の大鍋のなかに、
とびこんでいくように見えた。

ポトン! ねじれたドーナツだねは、
泡を浮きあがらせて、鍋の底へしずんでいく。
そして、じきにポンと浮きあがり、ゆっくりふくらんでいくと、
ひとりでにくるっと裏がえり、薄黄色の背中は油のなかへ、
ぷっくりふくれたこんがり色のついたおなかを油の上へつきだすのだった。

母さんは、ドーナツだねがねじってあるから、
ひとりでに裏がえるのだというのだ。
あたらしものずきの女の人は、まんなかに穴をあけたまるいドーナツをつくっていた。
けれど、丸形のドーナツは、ひとりでは裏がえってはくれない。
母さんは、ドーナツをいちいちひっくりかえす暇はないのだ。
ねじるほうが手間がはぶけるのだった。

アルマンゾは、母さんが天火仕事をしたりドーナツをあげたりする日がすきだった。


ワイルダー 恩地三保子訳「農場の少年」
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by foodscene | 2012-07-07 17:54 | アメリカ

These Happy Golden Years 2

Laura was so glad to be at home again, out on Pa's claim.
It was good to milk the cow, and to drink all she wanted of milk,
and to spread butter on her bread, and eat again of Ma's good cottage cheese.

There were lettuce leaves to be picked in the garden, too,
and little red radishes.
She had not realized that she was so hungry for there good things to eat.
Mrs. McKee and Mattie could not get them, of course,
while they were holding down their claim.

***

Supper was ready when Pa came from the stable and Laura ha strained the milk.

It was a happy family, all tougher again,
as they ate of the browned hashed potatoes, poached fresh eggs and delicious biscuit with Ma's good butter.
Pa and Ma drank their fragrant tea, but Mary drank milk with the other girls.

"It is a treat," she said.
"We don't have such good milk at college."

***
In the evenings they all popped corn and made taffy,
listened to Pa's fiddle, and endlessly talked of old times and of plans for the future.

***
*I will plan a celebration dinner, and the girls will help me cook it."

All the next morning they were very busy.
They baked fresh bread, a pieplant pie, and a two-egg cake.
laura went to the garden, and with her fingers dug carefully into the hills of portages for dinner,
without injuring one plant by disturbing its roots.
Then she picked the first of the green peas, carefully choosing only the plump pods.

Ma finished frying a spring chicken while the new potatoes and the peas were cooked and
given a cream dressing.
The Fourth of July dinner was just ready,
all but steeping the tea, when Pa came home from town.

He brought lemons for afternoon lemonade,
firecrackers for the evening, and candy for all the time after dinner.

***
Barnum grew so gentle that Laura and Almanzo could stay till the evening's end,
and at recess he and the other young men took striped paper bags of candy from their coat pockets
and passed them around to the girls.

There were pink-and-white striped peppermint balls,
and sticks of lemon candy and peppermint candy and horehound candy.

Wilder "These Happy Golden Years"
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by foodscene | 2012-07-05 14:11 | アメリカ