小学生の頃、頻繁に作っていたのが「炒り卵ご飯」である。
まず片手鍋で半熟炒り卵を作る。 砂糖と醤油を少し入れ、甘めの味つけにしておく。 卵がコロコロ転がるほど硬く炒ってしまってはおいしくない。 あくまでもドロンとした部分の残る半熟状態でなければいけない。 理想的な炒り卵ができたところで、そこへ賽の目に切ったキュウリ、 紅生姜を適量入れ、さらに白いご飯を混ぜ込む。 冷や飯でもいっこうにかまわない。 割り箸でよくかき混ぜて、お醤油チラリで味を調え、 卵の黄色、キュウリの緑、紅生姜の赤がほどよく混ざったら、お椀に盛る。 これで出来上がりだ。 学校から帰って少しお腹が好いたら、おやつ代わりによく作ったものである。 母から教わったのか自分で思いついたのか、まったく覚えていないけれど、 好物であったことは間違いない。 同じく好きだったのは、ガーリックライスである。 ガーリックライスなどと洒落て呼ぶほどのものではない。 ただ、晩ご飯のおかずにステーキや肉のバター焼きを作ったとき、 肉を焼いたあとフライパンに残った肉汁に、ご飯を混ぜてチョチョッと炒めるだけである。 つまりは肉汁チャーハン。 バターとニンニクと醤油の味がたっぷり染み込んで、そこへ数滴、 レモンを垂らしたりすると、これがまたこよなくおいしい。 阿川佐和子「もしかして愛だった」
by foodscene
| 2009-12-21 11:47
| ノンフィクション日本
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